道路交通法において日常では毎日のように交通違反が起きています。交通違反と言っても軽微な違反から大事故を起こしかねないような重大な違反まで様々です。
特に取締り件数が多い違反とはどんな交通違反なのでしょうか。2019年の交通違反件数を調べてみました。
近年の時代の影響を受けていると言える交通違反が増えていることがわかりました。それでは次からランキングで発表していきます。
取締り件数の多い違反ランキング
第13位 積載違反 13,720件
一般のドライバーはあまり関係ないとは思いますが、たまに積み荷が落ちそうなくらい積んでいるトラックを見かけますね。件数は少なかれ事故を起こした場合、後方の自動車へ危険が及ぶ大事故へ繋がりかねません。命にかかわる事故を起こしかねないのでドライバーの方は要注意です。
過積載10割以上の場合
違反点数 :6点
反則金 :なし
懲役・罰金:6ヶ月以下・10万円以下
過積載5割以上
違反点数:3点
反則金 :4万円
過積載5割未満
違反点数:2点
反則金 :3万円
第12位 無免許運転 19,413件
無免許運転がこれほどまでの件数があるとは驚きです。その意味の通り運転免許証を取得していない者が運転するのでこれほど危険なことはありません。しかも数値はあくまでも取締りを受けた数字なので実際はこれ以上あるということです。
無免許運転に対する処罰
懲役・罰金:3年以下・50万円以下
処罰 :刑事罰・行政処分
刑事罰と行政処分が下されます。 2013年までは「1年未満の懲役または30万円以下の罰金」でしたが、無免許運転による重大事故があまりにも多かったため、2013年12月に法律が改正、罰則が強化されました。
第11位 整備不良車運転 23,737件
マフラーから黒煙をモクモク出しながら走行する車や尾灯・ウインカーが点灯していない等の車が該当します。
整備不良に対する違反は「制動装置等違反」と「不良尾灯等違反」に分けられ、それぞれ点数・反則金が異なります。
制動装置等違反
【反則金】
大型車:12,000円
普通車:9,000円
二輪車:7,000円
原付 :6,000円
小型特殊車:6,000円
【点数】
全車両:2点
不良尾灯等違反
【反則金】
大型車:9,000円
普通車:7,000円
二輪車:6,000円
原付 :5,000円
小型特殊車:5,000円
【点数】
全車両:1点
第10位 酒酔い・酒気帯び運転 26,602件

近年では酒酔い・酒気帯び運転に対する処罰が強化されているにも関わらずこの件数とは正直驚いています。捕まると重い刑事罰と行政処分が課せられます。
違反の種類 | 処罰 |
---|---|
酒酔い運転 | 5年以下の懲役/100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役/50万円以下の罰金 |
運転者に対する行政処分
【点数】
酒酔い運転 :35点
酒気帯び運転(0.25mg以上):25点
酒気帯び運転(0.25mg未満):13点
【行政処分】
酒酔い運転 :免許取り消し(期間3年)
酒気帯び運転(0.25mg以上):免許取り消し(期間2年)
酒気帯び運転(0.25mg未満):免許停止90日
第9位 免許証不携帯 57,718件

免許証不携帯は道路交通法違反の対象にはなりますが、その罪は比較的軽いものになります。財布やカバンに免許証を入れていて、そのもの自体を自宅に置いてきてしまったなんてことから件数が多くなるのでしょう。
違反点数:なし
反則金:3,000円
補足
運転免許不携帯の場合、違反にはなりますが点数は加算されません。青切符を切られ反則金には該当しますが納付すればそれ以上はありません。つまり点数が加算されないということは、その時ゴールド免許だった場合、次回の免許証更新時もゴールド免許が維持されます。

第8位 踏切不停止等 84,471件

意外と多いと感じたのが踏切不停止等の違反です。僕が運転する場面で、踏切で停止していない車はあまり見かけないので少ない印象でしたが第8位ということでした。もし遮断機が故障していて電車が目の前まできていた。なんて事になれば大事故を引き起こしかねません。一時停止をし、窓を開けて左右の確認と音の確認をしっかり行いましょう。
違反点数と反則金
点数
全車両 2点
反則金
大型車:12,000円
普通車:9,000円
二輪車:7,000円
原付 :6,000円
小型特殊車:6,000円
第7位 追越し・通行区分違反 212,015件
あまり認識されていない方が多いのが、追越し車線は法定速度内で他の車を追い越すために設けられています。本来では、やむを得ない事情で追越しをする必要がある場合を除いて、走行し続けることはできません。 追越し行為が終わったら速やかに左側の走行車線に戻らなければ「通行帯違反」という交通違反となってしまいますので注意してください。
違反点数と反則金
点数
全車両 1点
反則金
大型車:7,000円
普通車:6,000円
二輪車:6,000円
原付 :5,000円
小型特殊車:5,000円
第6位 駐停車違反 217,454件

道路の端に停めている車両は非常によく見かけます。駐停車禁止違反と言っても、2種類あるのはご存じでしょうか?『放置駐車違反』と『駐停車違反』です。
運転者がすぐに車両を移動できるか否かで分かれますが、多くのケースはドライバーが不在の『放置駐車違反』に該当されます。それぞれ違反点数と反則金が異なります。それぞれのケースで違反点数と反則金を見ていきましょう。
違反点数と反則金
【放置駐車違反のケース】
【駐停車禁止場所等】
反則金
大型車:25,000円
普通車:18,000円
二輪車:10,000円
原付 :10,000円
違反点数
全車両 3点
【駐車禁止場所等】
反則金
大型車:21,000円
普通車:15,000円
二輪車:9,000円
原付 :9,000円
違反点数
全車両 2点
【駐車違反のケース】
【駐停車禁止場所等】
反則金
大型車:15,000円
普通車:12,000円
二輪車:7,000円
原付 :7,000円
違反点数
全車両 2点
【駐車禁止場所等】
反則金
大型車:12,000円
普通車:10,000円
二輪車:6,000円
原付 :6,000円
違反点数
全車両 1点
第5位 通行禁止違反 681,389件
ここから一気に件数が跳ね上がります。
一方通行の逆走や指定方向以外の方向への進行など、通行が禁止されている道路を走行してしまうとこの違反に該当します。
左折しかできないレーンからうっかり直進など別の方向へ走行してしまうと大変危険です。右折禁止違反などもこの中に含まれます。
しかし、取締り件数が3倍ほどに上がっているところを見ると、このような違反が多いのでしょう。
違反点数と反則金
【点数】
全車両 2点
【反則金】
大型車:9,000円
普通車:7,000円
二輪車:6,000円
原付 :5,000円
小型特殊車:5,000円
第4位 信号無視 681,645件

やはり上位に入っていたのは信号無視です。世界一信号機の多い国とも言われている日本は全国で20万8,061基もの信号機が設置されているようです。※2016年末調べ
これだけの数の信号機が設置されているともなれば、違反が多いのも納得できてしまうところもあります。しかし信号機は交通の流れを安全に整備するためのもの。これを無視すれば大事故になりかねません。
信号機の違反で一番多いのは、黄色⇒赤色に変わるタイミングでの走行が最も多いのではないでしょうか。このタイミングで通過する車を見かけるのは日常茶飯事です。
では違反点数や反則金はどのようになっているのでしょうか。
反則金 | 違反点数 | |
---|---|---|
大型車 | 12,000円 | 2点 |
普通車 | 9,000円 | 2点 |
二輪車 | 7,000円 | 2点 |
小型特殊車 | 6,000円 | 2点 |
原付 | 6,000円 | 2点 |
反則金 | 違反点数 | |
---|---|---|
大型車 | 9,000円 | 2点 |
普通車 | 7,000円 | 2点 |
二輪車 | 6,000円 | 2点 |
小型特殊車 | 5,000円 | 2点 |
原付 | 5,000円 | 2点 |
第3位 携帯電話使用等違反 842,199件

近年スマートフォンの普及により増加傾向にあるのが『携帯電話等使用違反』です。ニュースなどで耳にする悲惨な事故の原因でよく挙げられていますね。いわゆる『ながら運転』による前方不注意です。その取締り数があまりにも多いため2019年12月1日より違反点数が3倍に上がりました。
携帯電話使用等(保持)
反則金 | 違反点数 | |
---|---|---|
大型車 | 7,000円→25,000円 | 改正前 1点 → 3点 |
普通車 | 6,000円→18,000円 | 改正前 1点 → 3点 |
二輪車 | 7,000円→15,000円 | 改正前 1点 → 3点 |
小型特殊車 | 5,000円→12,000円 | 改正前 1点 → 3点 |
原付 | 5,000円→12,000円 | 改正前 1点 → 3点 |

携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合
反則金 | 違反点数 | |
---|---|---|
大型車 | 非反則行為となり罰則 | 改正前 2点 → 6点 |
普通車 | 非反則行為となり罰則 | 改正前 2点 → 6点 |
二輪車 | 非反則行為となり罰則 | 改正前 2点 → 6点 |
小型特殊車 | 非反則行為となり罰則 | 改正前 2点 → 6点 |
原付 | 非反則行為となり罰則 | 改正前 2点 → 6点 |

第2位 最高速度(スピード)違反 1,237,730件
最高速度違反つまりスピード違反が第2位という結果でした。スピード取締り実施や原付での法定速度超過など、その場面が多いこともこの結果に繋がるのではないでしょうか。
なお原付はいかなる道路でも法定速度が30km/hに設定されているので注意が必要です。速度規定がない道路での普通車の法定速度は60km/hなので併せて覚えておきましょう。
最高速度違反では一般道路と高速道路でそれぞれ違反点数と反則金が異なります。それぞれのケースで見ていきましょう。
【一般道でのケース】
違反点数
超過速度 | 違反点数 |
---|---|
0~20km未満 | 1 |
20~25km未満 | 2 |
25~30km未満 | 3 |
30~50km未満 | 6 |
50km以上~ | 12 |
反則金
超過速度 | 反則金 |
---|---|
15km未満 | 9000円 |
15~20km未満 | 12000円 |
20~25km未満 | 15000円 |
25~30km未満 | 18000円 |
30~50km未満 | 6~10万円。簡易裁判で罰金が決まる |
50km以上~ | 同上 |
【高速道路でのケース】
違反点数
超過速度 | 違反点数 |
---|---|
15km未満 | 1 |
15~20km未満 | 1 |
20~25km未満 | 2 |
25~30km未満 | 3 |
30~35km未満 | 3 |
35~40km未満 | 3 |
40~50km未満 | 6 |
50km以上~ | 12 |
反則金
超過速度 | 違反点数 |
---|---|
15km未満 | 9000円 |
15~20km未満 | 12000円 |
20~25km未満 | 15000円 |
25~30km未満 | 18000円 |
30~35km未満 | 25000円 |
35~40km未満 | 30000円 |
40~50km未満 | 簡易裁判で罰金決定 |
50km以上~ | 同上 |
第1位 一時停止違反 1,293,673件
2019年の交通違反取締りで取締り件数が1番多かったのは『一時停止違反』てした。大体の予想はついていましたが、やはりこの違反でした。

①停止線が交差点よりも後ろすぎる
まず考えられる原因として、停止線が交差点よりも随分後ろに引かれているということ。これはまず手前で一時停止をし、徐行して交差点へ進入するという意味があるのでしょうが、実際に停止線からでは交差点の先が見えないことが多いです。そのためドライバーは停止線を越え、先が見える場所まで進んでしまうのではないでしょうか。
②気持ちは止まったつもりでいるが車は止まっていない
一時停止とは字のごとく完全に止まらなければなりません。ブレーキを踏み止まった気でいても車体が完全に止まった状態でないと違反扱いになります。急ぐ気持ちはわかりますが止まったことを確認するようにしましょう。
反則金
大型車 | 普通車 | 2輪車 | 原付 | 特殊小型車 | |
---|---|---|---|---|---|
指定場所一時不停止等違反 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
踏切不停止等違反 | 12,000円 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
違反点数
『指定場所一時不停止等違反』
『踏切不停止等違反』
共に全車両2点
まとめ
うっかり交通違反をしてしまい、違反点数や反則金を課せられた人は不満や「ちくしょう!」といった気分の方も多いことでしょう。
しかし交通ルールは車社会の中で、重大な事故を起こさぬよう定められたものです。そもそも危険につながらないものにはルールなんてありません。なぜその違反項目があるのか?その理由をしっかりと考え、定められた交通ルールをしっかり守り、事故を1件でも少なくするように努めていきましょう。
それが運転免許証を交付された者の義務なのですから。